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カボサンルーカス Vol.1
🄺 はい、今週も始まりました。アクセスの時間でございます。今週は待ちに待ったこれが喋れる回なんですねー!
🅽 はい。
🄺 実はわたくし毎年 10 月にメキシコのカボサンルーカスという港町があるんですよね。そこで開催されるリズビースというカジキ釣りの世界大会がありまして、そこに毎年出てるんですね。それで今回で3回目だったんですけども、結果は言いませんけどね…。
🅽 いま聞くか、聞かないかどうしようかなと思ったんですけど。
🄺 結果が良かったんだったら、もう10本分ぐらいこのラジオ取れるんですけど、今年の年末にテレビ東京さんで今回の様子がテレビ放映されます。
🅽 はい。
🄺 ですので、まだ結果言えないんですね。
🅽 そういうことなんですね。
🄺 どんなカジキが釣れたのかとか、そんなこと言われましても当番組のリスナーさんたち、あんまり興味がないのでどっちにしろそこは省けるんです(笑)。
🅽 はい(笑)。
🄺 それよりも伝えたいことがあるんですね。あのね、2回目行く前に「ブルーミラクル」という Netflix さんが自主制作した映画が 2021 年リリースされました。それを見ながら去年僕は行ったんですね。
🅽 去年ですね。
🄺 この映画はできれば皆さん Netflix に加入されている方はぜひ見てもらいたいです。「ブルーミラクル」という映画なんですけど、この映画の主人公でパパオマールという人が出てきます。パパオマールさん何をしている人かというと、カボサンルーカスの街の外れで児童養護施設を運営されている方なんですね。
🅽 はい。
🄺 映画のストーリー簡単にかみ砕いて言うと、児童養護施設を運営しているパパオマールが資金難でこの施設が今にも潰れそうという状態からストーリーが始まるんです。それでヒョンなことからそのメキシコのカジキ釣り大会に選手として出場するようになるんですね。
🅽 はい。
🄺 そしてその選手の中にはその児童養護施設の子どもたちもメンバーでパパオマールと子供たちで一つのチームとして大会に出るわけですよ。
🅽 はい。
🄺 このディズビーという大会は賞金が年によって違うんですけど、数億円あるんですよ。
🅽 数億円!
🄺 それが世界一のカジキ釣り大会って呼ばれる所以なんですけど、その大会に資金難で今にも潰れそうなチーム「カサオガール」っていう児童養護施設の名前でそのチーム出たんですね。結果、見事賞金を獲得できてハッピーエンドみたいな映画なんですよ。これ実話で 2014 年に本当に撮ってるんです。
🅽 本当なんですね。
🄺 そう、僕ね行った国で映画の舞台になっているところに行くのが好きなんです。
🅽 うわーいいですねぇ。
🄺 それが特別な場所じゃなくても、例えばニューヨークのセントラルパークの外れで教会がボーンってあって「あっ、これアメリカンギャングスターのデンゼルワシントンのこの階段登ったとこやん」みたいなその、ふとした場面で映画のワンシーンのところに行くのが大好きなんです。
🅽 いいですねー。
🄺 でね、どうせカボサンルーカスに行くんだったら、このブルーミラクルの映画のカサオワールに行ってみたいっていう気持ちが強くて、今回テレビ東京さんに、出発前にどうしても番組構成の中にその「児童養護施設レポートの機会を入れてください」と言ってめでたく入れてもらいまいました。
🅽 はい。
🄺 その様子をアイちゃんがロケしてきたんですね。
🅽 そうなんです! 私がさせてもらいました。ありがとうございました。
🄺 どうやったあそこの感じ?
🅽 あまりにも立派で素敵できれいすぎて、ちょっと子供たちとも会ったんですよ。辛い感じなのかなっていうイメージがあったんですけど、すっごくみんな笑顔で「あれ、私なんかの普通の学校に来たんじゃないかな」っていうような感じだったんですよね。
🄺 あー、なるほどね。なんか一部には精神的な障がいを持ってる人もいたんでしょ?
🅽 そうなんですよ。ここのその児童養護施設に来てる子ども達って境遇が貧困とか家庭内の問題とかで心にやっぱりいろいろあったっていうことが多いので、セラピー、カウンセリングとかも用意しててそれが結構多いというか、ほとんど正直言うと…。
🄺 本当の孤児じゃないわけねそうですね。両親がいなくてどうしようもないからっていう子は一部いるかもしれないけど、そうじゃなくて事情があって親と一緒に住めない子供たちを保護して、みんなで集団生活しているみたいな施設ね。
🅽 やっぱり親と一緒に入れない子どもたちに寂しさを感じさせないように家族のような関係を一番大切にしてるっていう「愛」ですよ。
🄺 「愛?」
🅽 「愛」が違いました。本当に今あの子が君に挨拶したから返してあげてとか、遠い子とかもう気づいてすごいなぁと思って優しさというか家族の愛みたいなのが、それでやっぱりあのこんなにこう笑顔に過ごせるに変わるんだなぁと思って。
🄺 なるほどね。俺はさぁ、まぁそのロケとしては行ってないけど、あの施設の中を見てなんかこう IT っぽくないなぁと思ってね。なんかパソコンあんまり見当たらないなぁーみたいな感じがあったからね。どうせ今後ライフワーク的に毎年メキシコに行くんだったら、なんかそういうサポートという事とかもできたらいいなと思いながら帰ってきたところなんですよ。
🅽 確かに IT っていう感じはちょっとも感じられなくて…。
🄺 そこも良さなのかもしれないけどね。
🅽 そうです。あの教育内容も一般教養の他に映画音楽、スポーツ学、心理学とか、セラピーとかいろいろされてるっていうことなので、多分そのパソコン関係の授業とかも今からの時代、絶対必要ですよね。
🄺 そうかなと思うから、あの施設長のジェイソンさんとまだメールもつながってるし、いろいろやり取りしながら一回こっきりじゃなくて毎年の恒例行事にしていければいいなというふうに思っております。
🅽 はい。
DJ. カジキング
カボサンルーカス Vol.2
🄺 今週も始まりました、情報チャンネル『アクセス』の時間です。
🄺 先週ね、メキシコの話したよね? 今回は、カボサンルーカスの街について少し喋りたいと思います。
🅽 はい。
🄺 カリフォルニア州側ね、ロサンゼルス側!
🅽 どこにあるのか? メキシコのどこみたいな感じですよ。
🄺 そう、アメリカのロサンゼルスからそのまま下にズドーンと下がったバハカリフォルニア半島っていう細長い半島があります。
🅽 はい。
🄺 その半島の一番先っぽにあるんですよ。太平洋とコルテス海、カリフォルニア湾のこの海がちょうど合流する、潮がめっちゃ早い流れるところね。魚も豊富だから古くから漁業で栄えた街なんですね。
🅽 なるほど。
🄺 カボって言ったらね、船が好きな人は人は「えっ、あのカボ!」って思うんだけどね。クルーザーのメーカーでカボっていうブランドがあるんです。
🅽 へー、そうなんですね。
🄺 そのカボサンルーカスのカボ、カジキ釣りの聖地だからそういうスポーツフィッシングタイプのクルーザーのブランドとしてカボって名前つけてるんだけどね。
🄺 カボって何と思う?
🅽 メキシコ語? スペイン語?
🄺 何でしょう?「CABO」と書きます。
🅽 魚? 海?
🄺 「岬」という意味です。岬なので日本語にするとサンルーカス岬っていうふうになります。
🅽 あっ、そういうことでなんですね。
🄺 じゃあ、サンルーカス岬って名前がついてるぐらいだからそりゃすごいね岬があるのかっていう話なんだけど、あるんですね。ランズエンドっていう名前の岬があって、アーチ状になって中が崩れるようになってる。先ほど言ったように潮の流れが超早いところだから岩が侵食され易い。これ日本でもどこでもそうで、ハワイでももちろんそうだけど、潮の流れが早いところって崖になってたり切り立った岩みたいな地形になるわけよ。
🅽 そうなんですね。
🄺 風も強いし潮も早いからどんどん浸食されていって、波が穏やかなところは穏やかな地形なわけよね。そのサンルーカス岬の先端側も潮が早いところだから侵食風化されて変わった形の岩みたいなそういう「奇岩」ができるよね。
🅽 奇岩って言うんですか?
🄺 そう、現地の名前ではエルアルコっていうのは変わった岩みたいな略称でランズエンドって言ってるんだけど、岬の多分先っぽみたいなことだと思うんだけど、ここのね岬の先端がまた世界的な有数なダイビングスポットなんですよ!
🅽 ダイビングですか? へぇー。
🄺 マンタ何千匹とか。ストライプマーリンっていう種類のカジキがいるのね。日本語で言ったらマカジキっていう種類なんだけど、これが一万匹の群れとかいる。
🅽 すごそう!
🄺 スキューバーダイビングしながら見れるって言って、普通メキシコって言ったらカンクンに行くやん、みたいな。
🅽 そうですよね。
🄺 そう、反対側だからあんまり知られてないんだけど、ダイバーさんと釣り好きには有名な場所ですね。
🅽 そうなんですね。
🄺 あそこのマリーナの街もすごいやろう? えっとあの大きさのマリーナ、船を止める場所ね。日本で言ったら横浜のベイサイドマリーナがが一番でかいと言われてますけど、ここで約 1000 艇のクルーザーが、ドワーッと止まってます。宮崎マリーナってありますけど正確に聞いたわけじゃないけど自分がパッと見であそこ 100 艇ぐらいかなと思います。俺たち地元の福岡のベイサイドマーリンのあそこでパッと見で 200 艇ぐらいかな?
🄺 あれぐらいで 200 艇なんでね、だから1,000艇ぐらいだったら相当な数なんだけどカボサンルーカスのあのマリーナも 900 艇あります。
🅽 900 艇?
🄺 900 艇であそこのマリーナの特徴は、そのほぼ全て約8割近くがカジキ釣りのクルーザーです。
🅽 8割が?
🄺 8割がね、だからもう釣り好きにはたまらない光景なわけですよ。ボートショーみたいなね。
🅽 それ見たらわかるんですか?
🄺 分かる! それであのマリーナ、規模がでかいじゃん。端から端まで行くのに何分かかると思う?
🅽 30分ぐらいかかるかもですよね。
🄺 このマリーナの縁に飲食店っていうかホテルが一周ズラーっとあるわけよね。あれは日本じゃ見れない光景なんですよ。
🅽 ステキですよね。
🄺 何店舗ぐらいあるのかな? 100 店舗以上あるよね。
🅽 おしゃれな感じのお店がめちゃくちゃありますよね。
🄺 船を見ながらね。あの感覚がとってもいい場所なんですけど、なんといっても傘を売ってない街なんですよ。
🅽 雨降るんですか?
🄺 降らない!
🅽 降らないんですか!
🄺 年間で 300 日が晴れの町でございます。
🅽 えー、すごい!
🄺 メキシコって言ったらサボテン、砂漠、キラキラの太陽とがあるイメージですよね。
🅽 いやー、暑かったですよねー。
🄺 そう、肌を刺激する太陽! それで真っ黒なんですよ。
🅽 キング、真っ黒黒ですよねー。
🄺 でも残り 65 日ぐらい降るでしょって話なんですけど、降るときはハリケーン!
🅽 ハリケーンなんだ!
🄺 もう大ごとなわけよ。それが雨季の時にまとまってドーンと。だって台風で風速40メートル、50メートルでヤバいってなるでしょ。あそこは 70メートルとかだからね。
🅽 倍ぐらいじゃないですか。
🄺 車がボンボン飛ばされるのが普通みたいな、なんで降る時と降らないときの差が激しいんですね。でもまあほぼ年間300日晴れだからね。雨降りそうっていうのはなかったでしょ?
🅽 多分、雲がなかったですよね。一個もなかったかな?
🄺 そのくらい太陽ギラギラをきらめく「カボサンルーカス」に皆さんも来年は遊びに来てください!
DJ. カジキング
障がい者の労働組合 Vol.1
🄺 おはようございます。土曜日の朝といえば就労支援情報チャンネル「アクセス」の時間です。
🄺 本日のゲストはですね、ソーシャルハートフルユニオンの書記長で東証スタンダード上場企業のGFA株式会社顧問であります久保修一さんにお越しいただいてます。
🅺 よろしくお願いします。
🄺 この日本初の障がい者の労働組合ソーシャルハートフルユニオンについてちょっと紹介をいただけますでしょうか?
🅺 はい、企業で働く障がい者の人たちを支援するというか、そういう目的で 2013 年から準備を始めて、労働組合としての認可を取って法人登記ができたのが 2014 年なんですね。そこから企業でうまく働けないとか、クビになっちゃったとか、そういった人たちの相談を受けて解決をするために活動してるっていう組織ですね。
🄺 なるほど。一般的に労働組合って聞くと春闘をやってたりとかいうイメージなんですけども、障がい者の方とやっぱり雇用トラブルって多いんですか?
🅺 もともと 2013 年 14 年の頃っていう始めた頃は、まだあまりその障がい者雇用っていうのが、実はみんな知らなかったところでもあるんですよ。それでその当時の雇用率っていうのが 1.8% で、当時その障がい者権利条約っていう国連の条約に日本が批准しまして、これ初めてなんですけど、その年に差別解消法っていうのが出来て、障がい者雇用促進法っていうのがクローズアップをされて、よく耳にする合理的配慮っていう言葉なんかが生まれたのもその年なんですね。
🄺 なるほど。
🅺 2013 年4年にかけてですね。そこから例えばあまりいい話ではないですけど、国とか地方で障がい者雇用の水増ししてたよ、なんていうニュースが出たと思うんですけども、あのあたりから障がい者雇用っていう取り組まなきゃいけない課題があるっていうのが分かり始めて、おそらくその企業で働いていた障がい者の人たちも、もっと給料を上げてほしいとか、もう少しやりがいのある仕事を任してほしいっていうような人たちが増え始めたのも事実です。
🄺 なるほど。
🅺 そういった中でやはり企業側とトラブルがあったと圧倒的に増えていったので、おそらくそういう中で僕のところに来てる相談もすごく増えたんだとは思いますね。
🄺 どうですか? あの 2013 年の頃と今現在と相談に来られる方の障がいをお持ちの特性というか病状っていうのは変化がありますか?
🅺 そうですね、当初は身体障がいの人で、例えば聴覚とか知覚の人、車いすの人、あとは知的障がいの親御さんが来たりとか多かったんですけど、ここ数年はもうほぼ精神障がいで働いる方達ですね。
🄺 やっぱりそうなんですね。労働組合をやっていく上でなんかここが大変なんだよなぁとかいう部分ってありますか?
🅺 これは、宮脇さんも多分同じだと思うんですけど、その人の人生を左右するようなアドバイスになる可能性もあるじゃないですか? 例えば会社を辞めようか、頑張ろうか迷ってるっていう時に、いや辞めた方がいいよって言ってその通りになったら間違いかもしれないなので、なるべくいろんな情報を収集して法律もよく読んで、プラスその 100 点満点の答えは出せないかもしれませんけど、自分がこれが正しいと思うんだよっていうものを常に持って、それをアドバイスするようには心がけていますね。
🄺 その方にとってはほんと重要な一言になりますよね。
🄺 久保さん、本も出されているじゃないですか?あれってどんな内容が書いてあるんですか?
🅺 1冊目に出したのが、障がい者間の相談を受けて会社と話し合いをして解決していくプロセスを障害ごとに分けたんですね。それで当時はバランスよくということで、それこそあの視覚障がい、聴覚障がい、それぞれにこういうことをちゃんとやればトラブルは少なくなるよっていう本だったんですよ。
🅺 2冊目はもう今度は、精神だけで今回カットされた部分がものすごい多かったので、うつ病とか発達障がいの2通りをこういうところを気をつけて職場で一緒に過ごせば問題も少なくなりますよっていうような本ですね。
🄺 なるほどですね。それで今バイブルとか言われてるわけですね。
🅺 ただ一般的なその法律の解説とか、僕の場合はもう本当に全員がモデルがいるというか当事者がいる話なので、ここで自分が我慢しなかったからトラブルになったんだっていうのは分かるような内容にはなっていると思うんです。
🄺 なるほどですね。久保書記長はもういちいち数えてないと思うんですけど、これまで延べ何件ぐらいの労働トラブルっていうのを解決されてこられたんですか?
🅺 月に1回「相談会」っていうのをやるんですが、それがこの間で 106 回か 107 回なので、だいたい1回で3、4人来ますから、またそれだけで 300、400 の相談を受けるじゃないですか? プラスメールとか電話相談を足すと多分数千の相談を受けて、会社と話し合いして解決した方がいいなっていうケースだと多分その半分まではいかないですかね。
🄺 なので全部が全部その先方の会社に連絡入れるわけじゃなくて、一応見極めた上でそうされているんですね。
🅺 そうですね。あの労働組合っていうとおっかないってイメージがあると思うんですが、平気でこの顔でテレビで出るんですがみんな知ってると思うんですよ。
🄺 それで NHK にも出演されていますよね。
🅺 NHK のホームページに僕のコーナーまだありますから「スパルタ塾」って書いてあります。ただあの喋って相談で解決しちゃう人も多いんですよ。なので、あとなるべくやはり自主的に解決しないとその後長く働けないので、うちの組合に入りましたよっていう連絡だけして、あと放っておく場合もありますね。
🄺 なるほど。
🅺 でもやっぱりクビになったとか、復職を認めてくれないとか、あとはもう本当にパワハラとかみたいな、ちょっと緊急性が高い場合は会社と話したりしますけれども、最近はもうちゃんと取り組んでいる会社が増えてますので…。
🄺 書記長、また来週もゲストで来ていただいてその経験豊富なトラブル解決事例とかですね、こんなちょっと変わったトラブルがあったよとかですね、そういう実例を来週も話していただきたいんですけどよろしいでしょうか?
🅺 はい、分かりました。
🄺 来週もよろしくお願いします。
DJ. カジキング
障がい者の労働組合 Vol.2
🄺 皆さまお早うございます。土曜日の朝といえば就労支援情報チャンネル『アクセス』の時間です。
🄺 今週もソーシャルハートフルユニオン書記長であり、東証スタンダード上場企業 GFA 株式会社顧問の久保修一さんにお越しいただいております。久保さんよろしくお願いします。
🅺 よろしくお願いします。
🄺 今週はですね、これまでの経験豊富なトラブル解決実績を元に “こんなトラブルがあったょ” “こういう相談を経てトラブルを解決をしたょ” みたいな実例があればお話しいただければリスナーの皆さんもいい勉強になるかなと思いますので、ひとつよろしくお願いします。
🅺 このラジオ、支援される方もお聞きになってるんですよね?
🄺 もちろんです。
🅺 先週の続きになりますが、多分あの最も悩ましい「合理的配慮」っていうものをめぐるトラブルがわかりやすく説明できるかなと思うんですが、だいたい、まず障がい者本人が合理的配慮っていう言葉を使った時点でトラブル必至なんです。そもそも配慮を求めてそれが合理的かどうかっていうのを判断するのは「雇い主」なんですね。なので自分から “合理的配慮をして下さい” となると、これが必ずトラブルになるんです。
🄺 なるほど。
🅺 「配慮」っていうのはどちらかというと優しいとか、慮ってというイメージの言葉ですよね。
🄺 そうですね。
🅺 合理的っていうのはすごくドライっていうか、“ここまではやるけどここまでやらないよ” っていうことなんですよ。だから、障がい者が働く上でもちろん労働基準法があってその上に障がい者雇用促進法があるんですけども、実はまだどこにも合理的配慮って言葉がないんですよ。それでみんな間違って “合理的配慮をしてください” みたいな言葉の使い方をして、だいたいトラブルになって自滅する方がまず多いです。
🄺 勝手な造語みたいなものということですか?
🅺 「障がい者差別解消法」の方には出てくる言葉なんですよ。それはいわゆる公的サービス、公共のところで “障がい者を差別しちゃいけませんよ” ってという法律の方には合理的配慮って言葉はあるんですね。なんですけど働く上では配慮っていうのと、合理的ってのが別なんですよ。なので、そこでやはりトラブル解決がどうにも上手くいかない。会社に入ったけど全然合理的配慮をしてくれないっていう相談がものすごく多いんです。おそらく支援の人なんかも “具体的配慮をしてくれません” とか、それこそハローワークしかり、障害福祉課もそうですけど、やっぱりその人たちも合理的配慮という言葉を使いますから折り合いがつかなくなってくると思うんですね。
🅺 まず “配慮を求める側にこういう配慮をしてくれれば僕は普通に働けます。私は普通に働けます” それがちょっと工夫すればできるなら “合理的だ” 。その場合には会社はもうやらなきゃいけないんですよ。それをやらないと障がい者差別ってことに法律上になっているんですね。そうなんですけど、障がい者側が求めた配慮でそれを “うちで対応するのは大変だょ” っていうこのやり取りがまとめて合理的配慮なんです。
🄺 なるほど。
🅺 どんな配慮をしてほしいかを明確にしない限り、配慮なんて受けれません。ですからトラブルの多くが “僕、会社に入りました。さぁ皆んなどんな配慮してくれるんですか?” っていう受け身になってしまうと、会社は “どういう配慮すればいいんだょ” と周囲も含めてなるので、それで例えば衝立て一個つければ大丈夫とかですね。あと、例えば発達障害の人で感覚過敏の人だと “カーテンちょっと閉めてください” という配慮で働けるのにお互い合理的、合理的って言ってそれすら気づかないでトラブルになるということですね。
🄺 なるほど、お互い要は雇用する側も働く側もどこまで寄り合おうか取り決めを事前にしっかりするのが大事ってことですか?
🅺 僕の中ではおそらくそういう作業っていうんですかね。その試行錯誤の中からそれ間違っててもいいんですよ。実はこの配慮してくださいって言って、それをしてもらっても全く役に立たない場合もあるんですよ。でもそういうことを手探りで決めていく作業を含めていくことこそが「合理的配慮」かなと思います。そうしなければやっぱりその病気、障がいを持って働くっていうのは健常者の数十倍努力したりしないとなかなか難しいと思いますし、そんな中で “じゃぁ会社に行って、さあ何の配慮してくれますか?” ってなると周りは皆んな “いや、こっちも忙しいから、してほしいことだったら言ってょ” ってなったりしますしね。
🄺 そうですね。
🅺 それが数ヶ月経つと “僕、多分みんなに無視されてます” ってなって、会社からすると “そんなことしてません” っていうふうに、もうどんどんどんどん溝が深くなりますしね。
🄺 職場側からいうと何の配慮をしていいかわからないですもんね。
🅺 そうですね。
🄺 その職場側からすると出来るだけ働きやすい環境づくりをした方がいいとは、おそらくみんな思ってはいるでしょうし、それをすることによって長く勤めてほしいとも多分みんな思ってると思うんですけど、言ってくれるだろうっていう本当に必要なことだったら思っちゃってる部分があると思いますし、難しいところですね。
🅺 例えば、じゃぁ ADHD だ。ASP とか発達障がいで、さらに薬の副作用もあるような人だと、本人も何を求めていいか分からなくなって最後に会社側は “働かないで金くれって言ってるのか” とか、あとは “もう何もしないで好きにさせてくれ” って言ってるのか聞こえなくなってきちゃうんですね。そうすると本人は “全く理解してくれない。配慮してくれない” と…、だけどその求めている配慮は働かないで金くれって言ってるようにしか聞こえなければ配慮の仕様がないじゃないですか。
🄺 そうですね。
🅺 本来そこにプロと言ったら変ですけど、やっぱり “こういう配慮の求め方をしなさい” っていうアドバイスをすれば解決する場合もあるんですね。
🄺 なるほど、それって結局、障がい者の就労支援事業者とか、働く前の段階で配慮の求め方をきっちりやっていかないとダメだよっていう指導、教育も大事ですよね。
🅺 大事ですね。本来そこに役割があるというか会社に入ってしまうと共通の言語っていうのが「就業規則」っていうものになるんですよ。就業規則に書いてあること、書いてないことで判断されてるけれども、じゃあ、例えば障害のある人が働く上で求める配慮っていうのは、就業規則に書かれてないことなので、そこをちゃんと通訳できる、もしくはこういう言葉で会社に伝えなさいって教えるのが本来の「支援」の役割かなって気はしますね。
🄺 ちょっとですね、この話しの続きを来週も聞きたいんですけど、この合理的配慮、そして職場に送り出す前の施設がどういうふうな取り組みしないといけないのか、みたいな部分をもう一週このお話しを聞いてもいいですか?
🅺 もちろんです。
🄺 それでは来週もよろしくお願いします。
DJ. カジキング
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