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2023年2月4日放送

障がい者雇用促進法  Vol.4

🄺 さあ始まりました。今週もよろしくお願いします。今週のゲストもですね、ソーシャルハートフルユニオン書記長の久保修一さんにお越しいただいてます。書記長よろしくお願いします。

🅺 よろしくお願いします。

🄺 さあここ3週に渡ってですね、障がい者雇用促進法についてお伺ってきましたけども、今回の法改正を踏まえて就労選択支援だったり事業が能力開発向上に関する措置を取らないといけなかったり、もういろいろガラッと変わると思うんですね。変わる反面またその制度を悪用したじゃないですけども、こうとも取れるよねとか、こういうふうな使い方されちゃう懸念があるよねっていうことを出てくると思うんですけども、どういったところがありそうですか?

🅺 例えば一時利用に関して言うと、現状その週20時間を、30時間、40時間に増やしたい人が使うとか、一旦ちょっと調子悪くなって休職した人が復職する際に、その一時利用して就労支援の力を借りて復職をするみたいなイメージになってるんですけれども、やっぱりそこで「自ら退職します」って言わせるようなプログラムを入れられちゃったりすると、辞めさせ屋みたいな形なんですね。

🄺 なるほど。

🅺 これ、今現状のリワークプログラムで「やめさせプログラム」みたいなことで売って歩いてる某企業もいますので、そのあたりは課長とも問題だねと話してました。

🄺 マジですか?

🅺 はい。休職ということはやっぱりうまくいかなくて調子悪くて休んでるじゃないですか? でやっぱりその復職させるよりは新しくまた障がい者雇っちゃった方が楽だねっていう数合わせの場合はですね。

🄺 わからないでもないですけどね、わからないです。

🅺 ただ、なかなかその会社もやめさせにくいからやっぱり自分で「やっぱり無理です。辞めます」って言われた方が、多分いいのかなっていうところですかね? もう復職に関するリワークのプログラムは本当に問題だらけなので、そこが例えば今はまあ企業はお金を払ってそのリワークってやってますけれども、今回この就労支援の名を借りて一時利用ということで、国のお金でそこに使われたりすると多分、小野寺課長も激怒するんではないでしょうか。

🄺 どうですかね? 僕の感覚ではですね、今回の法改正によって働きやすさだったりとか、活躍の場を求めるとかですね、スキルアップして中には賃金向上につながる人もおそらく出てくると思うんですね。みんながその前向きにそうやっていい方向にいけば労働トラブルなんかも多少減っていくんじゃないのかなーってなんとなく思うんですけど、種類が変わるだけで実際変わらないんですかねぇ?

🅺 そうですね。あの本当にここを半年ぐらいですかね? 障がい者従業員同士のトラブルがやたら増えて、頑張ってる人がサボってる人に文句言うじゃないですか? 最低賃金なんで給料一緒なんですよ。頑張っても伸びないし頑張んなくても働けちゃうだから、例えば今回こういうような形で、その能力の開発とか向上させて安定させなさいっていうふうになった時に、ただ暇つぶしに行って最低賃金もらってればいいんだよっていう人は働きづらくなるのかなという気もしますし、うちみたいなユニオンは無い方が平和だと思ってますし、そのトラブルがなければ必要ないわけですから、なくなるのが理想ではあるんですけれども、今度やっぱりその会社と労働者のトラブルではなくて、会社がちゃんとやると従業員同士のトラブルになると、当事者同士でこれがまた解決させるのが大変なんですよ。

🄺 それこそですね。書記長の本をいま僕手元に持ってきてるんですよ。『本書を読まずに障がい者を雇用してはいけません』という本で、これ本当にすべての会社の人事担当者は必ず読むべき本だと思ってるんですけど、で面白いところがあるんですよ。何年もかけて、毎日少しずつ不安が積み重なり、いわば何から何まで気に入らない心理状態になっていた。

🅺 はい。

🄺 そういう文章がここにあるんですけどね。健常者でもこれあることじゃないですか。健常者でも会社なので働くってことは大変ですし、嫌な上司の一人ぐらい障がいあるなし関係なく職場にはやっぱいるもんですよ。中には現状維持でいいやっていう人もいるんでしょうけど、能力開発向上に関する措置ができて頑張ればちょっと上に行けるみたいな社会全体の空気になれば、そもそも発生しないような社会とか会社になっててくれたらいいのかなというふうに僕は思うんですけど。

🅺 そうですね、あの障がい者を雇えないっていうか雇用率を達成できない会社が、禁断のいいますかお金で雇用を買うみたいなビジネスモデルに手を出すんですけれども、これますますきちんと対応しない会社は多分障がい者側から選ばれないというか、頑張ればちゃんと給料も上がるし、出世できるんだよっていう会社に優秀な障がい者が集まって、だけど相変わらずその数だけ合わせときゃいいや、みたいなやり方をしているとその数すら多分今度追いつかないんじゃないのかなと思ってますね。そういう会社は今度おそらくそのいわゆるSDGsとか、ESG投資っていう部分で言う、本当にこれが儲けに直結するのっていう部分ですけれども、実はもうすでに海外から障がい者雇用をしていない会社には投資が集まらないとか、経団連の中ではサプライチェーンの末端にまで検証としてその人権をやりなさい、みたいなものはもうすでにもうできてるんです。ですからまあちょっと言葉悪いですけど、障がい者ぐらいちゃんと雇えない会社は生き残れないんだと思うんですよ。

🄺 なるほど。

🅺 そのちゃんというのが、今度はただ居ればいいでしょうからその人が活躍できるかとか能力を開発して向上できるかとか、簡単に言えばそれこそ「住宅ローン組めますか?」みたいな、多分そこまで問われてくるんだろうと思いますね。

🄺 いやー本当にその数合わせの弊害っていうのがやっぱりたくさん出てきているので、ここでグレートリセットじゃないんですけども、大きな変革でしっかり質の向上の方に行くような世の中になってくれたらと願っております。書記長、4週にわたってまたまたありがとうございました!

🅺 ありがとうございました。

DJ. カジキング

2023年2月11日放送

『教えて、久保書記長!』⑴

🄺 皆さまおはようございます。土曜日の朝といえば就労支援情報チャンネル「アクセス」の時間です。

🄺 今週からですね、なんと新企画ということで、またまたソーシャルハートフルユニオン書記長の久保修一さんにお越しいただいてます。よろしくお願いします。

🅺 よろしくお願いします。

🄺 全国の就労支援系の事業をされてる方、また障がいをお持ちの方またそれに関する方々、久保書記長に質問したいと思うんですね。そう思いまして「教えて、久保書記長!」という新しい企画のコーナーをスタートすることにさせていただきました。

🅺 ありがとうございます。

🄺 早速なんですけども、2月1日に北九州市小倉北区河原口2丁目にオープンしました「チャレンジマーリン」という、就労移行支援(定員10名)、就労継続支援A型(定員10名)で多機能型の事業所をやられている事業所さんから、早速、久保書記長宛に質問をいただいております。

🅺 はい。

🄺 ちょっと読ませていただきますね。──久保書記長、こんにちは。就労を目指しているにもかかわらず、障がい者自身が自分の障がいを理由にネガティブな発言をすることが見受けられます。どうやったら前向きな気持ちに切り替えることができるでしょうか──。という質問をいただいております。

🅺 はい、僕の場合はもう働いている人が途中でうまくいかなくなった時に「自分はこういう障がいだから、こうだから」ということで、とにかく自身の障がいを理由にしてできない理由を全部障がいに集約する。そうするとやはり「障がいのせいでしょうがないよね」と多分言われ続けてる人がやっぱり多いんだと思うんですよね。僕はちょっときつい言い方をこういう時にはするんですけど「障がい者としてこれからも生きていくのか」それとも「○○さんは社会人として生きていくのか」。ここは分かれ道だよと…。それで障がいがあることはそんなに何度もアピールしなくても手帳を見れば分かりますよ…。病名も何度も聞いてるからわかりますと…。それを自分でどうやって付き合いながら働いていくか、そこにはこの障がいがあるからできないっていう理由で全てをダメにしちゃうと、ただ障がい者として生きていくしかなくなっちゃうじゃないですか?

🄺 そうですね。

🅺 だから「僕が障がい者なんです」しかなくなっちゃうので、それでは嫌だから働いてるんで、社会人としてやる上で例えばですけどその障がいが半年待てば治るんなら、今できない理由にしてもいいけれども、一生付き合うんだったらそれを理由にしてたら一生何もできなくなると…。

🄺 そうですね。

🅺 そういうような話しから社会人として生きていくのか、障がい者として生きていくのかどっちか選んでくださいと。まあそういうような形で自身のやる気「モチベーション」を上げる。自分の障がいに逃げ込んでしまうと、そこで何もできなくなっちゃうじゃないですか? それやっぱり見てても関わっててもやっぱりとても悲しいことなので、「障がいがあるのは分かってるから、その上でどう頑張るかの話しをしようよ」っていう形にはするんですね。ただやはりどうしてもその障がい、あと生い立ちとかいろんなエピソード、障がいによってはそれこそ友達がいないとか、あとはずっといじめられてたとか、ずっと引きこもってましたとか、そういうエピソードを語られると、やっぱりどうしてもちょっと同情しちゃうというか「かわいそうにね」みたいな…。

🄺 そうですね。

🅺 普通にそういうふうに思う時もあると思うんですけれども、それは置いておいてこれからの話だから「じゃあ、どうすればいいのかを考える手伝いはしますよ」と。それでそういうような形で結構きつくは言いますね。

🄺 そんな話しをストレートにしたらハッとされる障がい者も多いんじゃないですか? 独自の切り口というかあんまりその切り口でも聞いたことがないというか。

🅺 僕はぶっちゃけ、うちのユニオンのメンバーはもう本当にそれこそほとんどの種類の障がいの人たちがいますし、延べものすごい数の人を相手にしてるので若干そのぐらいの障がいでちょっとあんまり障がい者アピールされても、もっとすごい人いっぱいいるところがどっかあるんですよね。だからといって軽く見てるじゃなくて、やっぱりそれぞれいろんな病気や障がいで何か例えば体が動かないとか、それこそ目が見えない、耳が聞こえないもそうですけどやっぱり不便だし僕らが考えるようなものと若干違うと思うんですよね。だけど、じゃあ「耳が聞こえないとかしょうがないじゃない」ってなってしまえば、結局ただ耳が聞こえない人としてみんなに気を使わせて生きていかなきゃいけないと…。それじゃ多分社会も受け入れてくれないしっていうことはまあ独特と説明はしますね。就労支援の人なんかも、もちろん障がい者の就労支援ということで障がい者を相手にするっていうのはもう前提で謳ってるわけですから、だからそのぐらいは多分大丈夫なんじゃないのか。

🄺 そうですね。特に就労支援事業所であればスキルだったりとか、やる訓練内容も大事ですけどそれよりも大事なのが夢と希望を持って前向きっていうところをしっかり身につけてもらうというか、そういう考え方とマインドを変える、変えさせるっていうのも大事だと思いますんで、非常に良い切り口でいいと思います。

🄺 いまお話ししていただきましたけども、チャレンジマーリンのスタッフの皆さん、そしてサービス管理の森内さん、いかがでしたでしょうか。オープンされたばかりだということですので、障がいをお持ちの方の皆さんのために良い施設を作ってください。

🄺 もう一度施設の概要だけお伝えしておきます。北九州市小倉北区河原口2丁目6-1、電話番号が093-953-7020、サービス管理者は森内俊文さんで運営されてます「チャレンジマーリン」さんです。「障がい者に高賃金な就労を」というスローガンを掲げて運営されてますので、ぜひ興味がある方はお問い合わせされてみてください。それでは、久保書記長、今週もありがとうございました。

🅺 はい、ありがとうございます。

🄺 また来週も引き続き「教えて、久保書記長!」のコーナーでお会いさせてもらえたらと思います。

DJ. カジキング

2023年2月18日放送

『教えて、久保書記長!』⑵

🄺 皆さま、おはようございます。土曜日の朝といえば就労支援情報チャンネル「アクセス」の時間です。

🄺 先週に引き続き、今週も久保書記長に就労支援施設で働かれている現場の方々からの「質問コーナー」として、書記長にお答えいただければと思います。

🅺 よろしくお願いします。

🄺 それでは今週の質問は先週に引き続き、オープンラッシュなんですかね、2月1日に千葉県柏市にオープンされた、就労移行支援の定員が10名、就労継続支援A型の店員が10名、合わせて多機能施設としてオープンされました「ドリームマーリン」さんから質問をいただいております。

🄺 早速読み上げていきますね。

🄺 ──はじめまして。障がい者の方を雇用する上で、時には叱らなければならない時もあるかと思います。ただ障がいを持たれていることもあるので指導する上で人にもよると思うのですが、どのくらいの配慮が必要なものでしょうか? 実際にうつ病の方や発達障がいの方などでトラブルや、実際に相談があった例などあれば教えていただきたいです──。といただいております。

🅺 はい。

🄺 どうですか? 表現も含めて生々しい質問ですね。ラジオだからギリギリで言える範囲だと思いますが、いかがでしょうか?

🅺 おそらく就労支援の人ですから今後、利用者が社会に出た時にやっぱり時に叱られるだろうと、障がいを持ってる人だからまあ遠慮するんじゃないのかと、多分そういうことだと思うんですよね。

🅺 それでどの程度まで配慮が必要かっていうことなんですけど、まず「叱る」ということはありません。学校とか家庭ではありませんから、叱るというキーワードが社会に出ると、福祉はあるのかもしれませんけど、基本的には働くということは雇用ですから、叱られるような代わりに懲戒処分されるんですね。

🄺 はい。

🅺 例えば基本的に「定時に来ない」「仕事をしない」それ以外にもいろいろあると思いますけれども、叱るのではなくてそれは懲戒処分っていうルールなんですよ。簡単に言うと始末書を書かせるとか出勤停止をするとかですね。

🅺 ですからこの「叱る」っていう感覚は、雇用とかを目指す人の上でもキーワードとしてまず必要がないということで、配慮っていうのは障がいのある人が働く上で「これがなければ普通に働けるので配慮してください」って申し入れて、それで会社側が「それなら無理なくできるよね」ってことで提供する。これが「合理的配慮」ですから、上司が部下に業務命令をして、例えばその通りの成果が上がらなければ評価が下がる。もちろん口の悪い人はいると思いますよ。世の中には「なんでこんなもんできないんだ」って人もいると思いますけども、今それはパワハラですからむしろ叱るというよりは、そういった意味では評価になりますし、おそらく先のことを考えて「もっと頑張ればいいのに」とか、あとは「ここはこうすればいいのに、何でわかってくれないのかな」みたいな、そういう目線でやっぱり自分の思いを相手に伝えようと思うとこういう表現になると思うんですね。

🅺 それで障がい者側の思いを知ろうとすると、また迷路に入っていってしまうので、やはりこういう意味では配慮っていう言葉とかを「叱る」っていうキーワードを出す時点で、若干言っていいことと悪いことの線引きができないとか、あと強めに言っていいかとか、どこまでプライベートに踏み込んでいいのかとか、多分その辺りだと思うんですね。

🅺 ここの就労移行支援の場合はどうなんでしょうかね?

🄺 それこそ職場で働くと仮定して、そのままの状態を訓練していくのが一番だと思いますから。

🅺 生活指導みたいなものも含むんですか?

🄺 もちろんですね。

🅺 じゃあ「今ここは就労移行をしてるんだから大丈夫だけど、会社に出たら首だよ」という、そういうのもありかなと思います。

🄺 なるほど、いいですね。

🅺 実際の会社ではやっぱり同じこと起きてるんですよ。雇った人が障がい者がかわいそうだからって言って、何やっても処分しないんですね。だから本人は何やってもいいと思って、最後には会社行かなくなる。それで給料だけ下さいと…。でもやはりそれはもう間違ってますよと…。

🅺 周りの人に迷惑をかけたら謹慎処分をしたり、ルールですからそういったことを先に教えるのもいいのかもしれない。

🄺 受け皿として雇用する側の会社が先日某ニュースでも出てましたけども、やっぱり雇用枠を守るために私なりにも話しを聞いてると、定着しないからあんまり言いたいこと言えない! みたいな、辞められちゃうと雇用枠がまた守れてないっていう話になって、指導が入ったりするから、その受け皿のそういう環境もあるじゃないですかね?

🄺 なので、送り出す側は雇用する側の問題で腫れ物に触るじゃないですけど「何でもいいよ」みたいな雰囲気や風潮が結構あるので、送り出す前からさっき書記長が言ったような、それをもし雇用された場合にやっちゃうとこうなるよ! みたいなペナルティが発生するかもというのははっきり言っていくべきですよ。

🅺 そうですね。それは実際本当にそうなるわけですから、そのルールを障がい者だから世の中が曲げてくれるって事はありえないですからね。

🄺 なるほど。

🄺 さあ、ドリームマーリンの皆さん、いかがでしたでしょうか? ためになったかと思います。オープンされたばっかりだということですから、今のお話も参考にしていただいて、しっかり実際に就職した場合を見据えて利用者さんたちに訓練をやっていってもらえたらと思います。

🄺 最後にもう一度「ドリームマーリン」さんの施設情報をお伝えしておきます。住所は、千葉県柏市柏6-8-40、サービス管理者が平川さん、電話番号が04-7157-3307の「ドリームマーリン」さんです。

🄺 「障がい者に高賃金な就労を!」というスローガンを掲げて、地域のために少しでも賃金が高い仕事に就けるように、しっかり訓練されているITに特化した就労支援事業所です。ぜひ皆さんお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

🄺 それでは書記長、来週も引き続き『教えて久保書記長!』のコーナーでよろしくお願いします。

🅺 よろしくお願いします。

DJ. カジキング

2023年2月25日放送

『教えて、久保書記長!』⑶

🄺 皆さま、おはようございます。土曜日の朝と言えば「就労支援情報チャンネルアクセス」の時間です。今週も先週に引き続き新コーナー「教えて!久保書記長」のコーナーです。今週もよろしくお願いします。

🅺 よろしくお願いします。

🄺 今週は宮崎県小林市にあります、就労支援事業所「グリーンマーリン」さんから質問をいただいております。早速お読みさせていただきます。

🄺 ── 久保書記長、質問がございます。対人関係を作る上での苦手さを克服していくにはどのようなことが必要となるでしょうか? 利用者さんが就労を目指される中で、自信の無さがネックになることがあります。就労や社会経験の不足がその根っこにあるようですが、利用者様との面談で多いのが対人関係を築くことが難しいという点です。事業所での日々の支援の中で他の利用者やスタッフとのコミュニケーションで対人関係の作り方を学んでいただいている面もありますが、いざ就活となると利用者様には不安が先立つようで、社会は事業所ほど手厚く支援してもらえないからだと思いますが、自ら他者との関係性を作っていく際の苦手意識をどう克服していけばよろしいかお聞かせ願えればと思います──。

🄺 ということで質問をいただいております。なかなかこれいい質問じゃないですか?

🅺 そうですね。

🄺 答え方も難しいと思いますが…。

🅺 僕は多分コミュニケーションで「対人関係をどう作ればいいでしょうか?」と言われたら「作らない方がいいですよ」っていう答えちゃう方なので。

🄺 作らない方がいい。

🅺 はい、「コミュニケーション」これは多分就職した後に、上司とうまくやれるか、同僚とうまくやれるか、そういった不安が想像で入ると思うんですね。おそらく精神障害の方だと思うんですけれど、だいたいそこをうまくやれるか、やれないかってなって、皆さん調子が悪くなりますから、うまくやらない方がいいと思います。もう「誰ともしゃべるな」「挨拶するな」って僕は教えてます。

🄺 なるほど(笑)。

🅺 一年勤め上がった時に出来てるのが、対人関係なんだよと。前もって対人関係どう作ればいいかじゃなくて、一年間経ってよくしゃべる人もいれば全く口きかない人もいるし、それが対人関係なんだという教え方をします。

🄺 目から鱗じゃないですか。多分これ、今聴いてるリスナーさん、皆んな「はぁ?」と思ってると思いますよ。対人関係は築かなくていい、やるなと。結果、振り返った時に出来てるのが人間関係がうまくいってるかどうかあとから判断する。

🅺 そうです。だから毎日例えば遅刻をしない、見ていないところでもサボらないとか、そういったところが多分対人関係を築くことじゃないですか。

🄺 そうですね。

🅺 やはり相手がどう評価するかで自分が好き嫌いもありますし、向こうもあるわけですよ。これを「どうやって築けばいいんでしょう? 自信がありません」。むしろ自信がある人の方が怖いですね。

🄺 なるほど。

🅺 もう築かなくていいと思います。

🄺 確かに!いやなヤツと付き合うな。障がいがある無しに関係なく、嫌なやつとは付き合うなって話しですもんね。

🅺 最初からうまく溶け込もうとか、あまりやりすぎると、ちょっと苦手な人を見つけるとそこで壊れちゃうんですね。

🄺 無理があるって話ですね。

🅺 そうですね。

🄺 皆んなにちゃんと対人関係を築けって言うこと自体が、まだ会いもしてない就職先のことを勝手に妄想して、こう言われたらどうしようか? みたいなそんなことをやったって変なネガティブな妄想にしかならないという話しですよね。

🅺 そうですね。家族のコミュニケーションもうまくとれないような、それこそ発達障害なんかもあるわけですから、職場に入ってじゃあ「全然無理じゃないか…」と思うかもしれませんけど、まぁうちのユニオンにも発達障害の人で本当に定年まで本当に? っていうぐらいコミュニケーションなんか取れてないんですよ。僕とも取れないぐらいなんですけど、でも会社の中にその人がいることを理解する人もいるし、関わらないようにする人もいるわけですね。それで対人関係ができてるので長く務められるんですよ。

🄺 なるほどですね。合わない人もいますもんね。

🅺 いますね。

🄺 その人とどうしようかって考える必要がないということですね。要はちゃんと仕事を業務の範囲でやって、周りに迷惑にならないような行動を積み重ねていった上で、あとから人間関係できるかできないかっていうのは…。

🅺 そうですね。あの意外と大事なのが、対人関係をうまくやるっていうことよりも、責任感とか正義感みたいなものの方が多分大事だと思うんですね。これがない病気っていうのはないので…。

🄺 確かに!「自分はちょっと障害のせいで正義感がございません」。それは無いんですね。

🅺 それは無いですね。だからそういうところを自信を持たせるというか、そういうところで評価されることだから「コミュニケーションは考えなくていいよ」と…。あの一回みんな忙しくて「お早うございます」が返ってこなかっただけで、「皆んなから無視されます」というふうになっちゃうんですよ。そこは最初から諦めて、一年経った時に仲がいい人やこの人あんまり良くないな。これが対人関係だっていうふうな教え方をするといいんじゃないかなと思いますね。

🄺 書記長、それ本とかに書いてます?

🅺 多分書いてると…。

🄺 新しい本、書いたらいいじゃないですか?

🅺 そうですね。

🄺 なかなかエッジの効いた視点というか、話ですよ、

🅺 結構、本はその弁護士さんとか社労士さん向けに書いたのがあるので難しい言葉で書いてるんですよ。それでも結構こうやって分かり易くは言おうと思ってるんですけど。

🄺 でも場面場面で4コマ漫画みたいな感じで、実際あった場面を思い出しながら、これを本にしたら面白そうですね。

🅺 この相談を受けた側は多分、真面目に答えるのが大変ですよ。「コミュニケーションうまく取れないんです。どうすればいいんですか?」って言われた時に、じゃあ自分は上手いのかってまず思わなきゃいけないんですよ。

🄺 そうですね。

🅺 コツでもあるんなら教えなきゃって思っちゃうと思うんですよ。だけど、多分周りから見ると「何々さんそんなにコミュニケーション上手くないよ」。だけど、例えばじゃあこの一年間通って最初は「なんだあいつ」って施設の中であるかもしれません。一年後に友達ができたりとか、よくしゃべる人ができたり、全く関わらない人ができたりと、これが対人関係なので。

🄺 リスナーの皆さん、そういう質問されたら「そんなもん、あるか!」っていう話ですね。

🅺 「対人関係は築かない」。これが一番ですね。

🄺 最強の格言をいただきました。「対人関係は気づかない」これをベースに皆さんまた、日々支援を頑張っていきましょう。

🄺 今週の質問は、宮崎県小林市にあります市役所のすぐ斜め前ですね。就労支援事業所「グリーンマーリン」所長の江原さんからいただいた質問でした。ぜひ参考にして良い施設にしてください。

🄺 来週はですね、3週にわたって「教えて、久保書記長」のコーナーを送ってきましたけども、次回はこの3週分を総括して二人で雑談できればと思います。

🅺 よろしくお願いします。

DJ. カジキング

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